Flow
建物が出来るまでの流れ
建物が出来るまでの流れと期間は以下の通りです。ただし、期間は、住宅・小規模な建物の場合で、あくまでも「目安」です。一品生産ですので、個別のプロジェクトの難易度、規模、施主の考え方等で大幅に異なります。  

基本設計:通常3〜4カ月
実施設計:3〜4カ月
見積、見積調整、確認申請:2〜3カ月
工事期間:7〜10カ月程度

設計契約をおこなってから引渡しに至るまで、非常に単純な建物で、かつ、基本設計や詳細の決定が迅速に決定できたとして、最短で、1+2+2+7=12カ月です。オクトーバーで最も典型的なケースで、2.5+3+2.5+8=16カ月程度です。

基本設計

設計契約を結ぶとまず基本設計が始まります。基本設計とは、強いて言えばいわゆる間取りの決定に近いもので、基本的な3次元的プランニングの決定のことです。建物の基本形、構造、動かせない壁、主たる開口部が決まります。基本設計が終了した後に、これらを大きく変更することは困難です。基本設計期間中に数回の打合せをおこないます。

実施設計

基本設計が終わると、実施設計に移行します。実施設計とは、実施設計図を作成することで、見積および工事が可能な詳細が記された図面です。この段階で、各仕上げ、家具類の基本的詳細、電気、設備の具体的決定をおこないます。数回の打合せが必要です。

見積、見積調整、確認申請

実施設計が終わると、その図面を初回見積版として見積を開始します。見積は、通常、相見積(複数の会社)とします。 初回見積は4週間程度で出てきます。見積方法の違い等をチェックの上、金額を主体に総合的に判断して1社に絞り、見積調整を開始します。見積調整とは、仕様、程度、数量、単価のミスチェックや見直し、設計内容の変更等により、予算に近づけることです。オクトーバーでチェック、変更した内容を、当の施工者に渡し2回目の見積を依頼します。2週間程度で2回目の見積が出てきますので、その結果をもとにさらに減額変更をおこない、最終金額の目標を定め、再度見積を依頼、契約金額を確定させ、工事契約に進みます。 見積調整中に数回の打合せを要します。

初回見積をチェックをした時点で、確認申請をおこないます。確認申請とは、建物を建てるための法的手続きで、現在は役所(建築指導課)か民間の確認機関でおこなうことができます。オクトーバーの設計の場合、役所では非常に時間がかかるため、民間の機関でおこないます。通常、工事契約までに確認がおります。法は各機関、あるいは主事の見解により「運用」されるという現実がありますので、見解の相違により変更を求められる場合があります(事前相談をおこないますから、通常、大きなものはありません)。その場合は、見積調整期間中に反映させます。

工事期間

地鎮祭にはじまり、着工、上棟、引渡し、駄目・未済工事の完了という流れで進みます。これ以降、現場で起こることがらについては基本的に工事管理者(現場監督)が責任を負います。

まず地鎮祭ですが、おこなうかどうかは任意です。重要なのは、対外的な最終責任者である施主による近隣挨拶です。地鎮祭終了後、その足で施工者と一緒に挨拶にまわります。当の近隣とは、当該敷地に隣接する土地にお住まいの方および前面道路を挟んだ迷惑をかけそうな方で、施主がリストアップします。不在の場合は日を改めて、予定した全ての近隣の方にもれなく挨拶します。後日の場合、施工者と一緒でなくてもかまいません(施工者は施工者でまわります)。

地鎮祭後しばらくして着工しまが、着工日とは形式上の起算日で、実際に土をいじるのは、工場での矩体がらみの製作スケジュールから逆算されますので、すぐには現場で何かが始まるわけではありません。

上棟は屋根までの主要構造が立ち上がった時のことで、上棟式をおこなうかは任意です。木造でなければ、おこなわないことも多くなりました。ただ現場の人たちの労をねぎらう機会として、食事や挨拶をするのは、施主として良いことだとは思います。上棟のみならず、現場に足を運ぶ際には、みんなが自分のために働いてくれていることに感謝し、差し入れをするぐらいの気持ちを持ちましょう。

その後、屋根工事、外壁工事、外部建具工事となり雨が屋内に入らなくなったら、ラストスパートの内装工事、家具等の工事となります。ほぼ完成の時点で、施主による竣工検査、可能な駄目直しを経て、引渡しになります。その後、残った駄目工事、未済工事がポツポツとおこなわれ、工事の一応の終わりとなります。